カーであれ、ホームであれ、オーディオの開発時には、周波数特性や歪率、S/N比といった指標が用いられます。
しかし、ケンウッドやアキュフェーズ、BOSEといった名だたるオーディオメーカーの第一線で研究開発に携わってきた、ある一人の技術者は、それらの数値が「人間が体感する良い音」と、まったく一致していないことに気づいていました。
それが後に、「MogamiModel」という自らの名を冠したパワーアンプを世に送り出し、カーオーディオ界に衝撃をもたらした最上正司氏です。
その理由は明快です。
測定器で計測できる数値には人間の耳や頭部の構造による影響を加味することができません。また、一般的な2chのオーディオシステムでは、本来の音がもつ空間情報やホールの間接音といったものを再現することはできないからです。
「耳や頭の形状が異なれば、聞こえる音は違う。例えば、欧米人と日本人では異なった聞こえ方をしているんです」と最上氏は語ります。
測定器の数値ではなく、人が聴いて心地よい音を生み出すためのシステムをつくりだす──最上氏のサウンドユニットづくりの歩みは、すべてその思想に基づいていたといっても過言ではありません。
そして、その集大成として、あえてよりサウンド環境のシビアな車載機器でチャレンジしたい。最上氏のその執念と、ナビ男くんが培ってきた車種別チューニングのノウハウが出会い、誕生したのがBEST2♪(ベストベスト)です。
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